企業の不祥事対応について

企業が抱える不祥事のリスクとは

企業は「ヒト・モノ・カネ」で構成されていると言われますが、モノとカネは管理ができても、ヒトには意思があるので完全に統制することは難しく、企業が事業運営をしていく過程で、ヒトである従業員が「ヒト・モノ・カネ」に関する不祥事を起こすリスクは常に存在しています。不祥事が発生した場合、企業には各種法的責任が発生するだけでなく、企業の社会的評価の低下を招いてしまう」こともあります。
当事務所では、従業員や役員が不祥事を起こした場合に①企業が行う社内調査、②被害者対応、③広報対応(対外的な対応)、④調査結果を踏まえた処分や法的責任追及に関する法的判断まで一貫してサポートしております。企業が被る被害やコスト、社会的評価の低下などを最小限に抑え、できるだけ早急に解決できるように対処します。また、その事案に関わった人達から企業として適切な対応を行ったと感じてもらえるようにサポートすることを心掛けています。
不祥事の具体的な事例としては、社内のセクハラ・パワハラ、不正会計、法令違反、犯罪、などさまざまです。

社員の不祥事

1.社内のセクハラ・パワハラ事案

社内のセクハラやパワハラに関しては、社員同士の人間関係もあり、正確な事実確認が難しい場合があります。適切な社内調査が実施できなければ、事実の把握やその後の処分に関する法的判断が不適切なものになりかねませんし、適切な是正措置や再発防止策を講じることができません。

 

弁護士に依頼するメリット
  • 早期に適切な調査が実施できることから紛争拡大を防止できます。
    -弁護士が調査に加わることで調査の信頼性が一定程度担保されます。
  • 弁護士は証拠の検討、事実の認定について訓練されているので、調査が迅速、的確に進められます。
    -第三者の立場でヒアリングを行うので事実関係が正確に把握できます。
    -処分にあたり、就業規則との整合性等について適切な、法的判断をいたします。
  • 再発防止策をご提案致します。

2.不正会計の事案

経理担当者がお金を使い込んだ、営業担当者が売上を横領したなどの事案では、民事上では損害賠償の請求対象となり、刑事上は業務上横領などの犯罪となります。また、労働問題としては、懲戒処分の対象となります。このような事案が発覚した場合は、まずは不正を行った社員がお金を扱えないようにする事が大切です。次に、いくらの損害があり、証拠が明確かどうか調査する必要があります。その上で、当該従業員をどのように処分すべきか検討する必要があります。例えば、急いで社員を解雇し、刑事上の問題にしてしまうと、不正を行った社員は逮捕されてしまい、使い込んだお金を回収することが難しくなってしまいます。また、適切な処分をしないと他の社員への示しもつきません。

 

弁護士に依頼するメリット
  • お金の流れを調査して証拠を明確化させます。
  • 適切な調査・処分等が行えます。
    -不祥事を起こした者や関係者に対し有効なヒアリングを行います。
    -就業規則との整合性を確認し、法的に適切な処分をご提案します。
    -損害額を踏まえ、処分の選択肢をご提案します。
    -損害額を回収する方法がないか検討し、ご提案致します。
  • 再発防止策をご提案致します。

実際の事例紹介

相談内容:パワハラ問題

企業の中間管理職Aの業務指導が厳しく、他の社員から「Aの業務指導はパワハラだ」との被害申告がなされている。また、部下の中にAとの関係性に悩んで心療内科に通院している者も出てきているが、どのように対応したらよいか。

当事務所で対応した内容

まず、事実関係解明のため、Aの部署の従業員(A含む)に対してヒアリングを実施し、Aの業務指導内容がどのようなものだったかを調査しました。その際、誰が被害申告をしたかということがAに(明確には)伝わらないよう配慮します。
心療内科に通院している従業員とも面談し、悩みの内容を聞き、心の持ちよう等について話したうえ、今後の会社としての対応について説明しました。
最終的には、Aの業務指導は(違法な)パワハラに該当するとまではいえないと法的な判断を下しましたが、Aの業務指導が不適切であることは確かであるため、Aと面談し、業務指導の方法や(違法な)パワハラと認定されてしまった場合の法的リスクについて説明しました。

ご依頼いただいた結果

Aは、今まで社内の上司から業務指導方法を注意されてもあまり聞き入れられなかったようですが、第三者、かつ、専門家の弁護士から法的リスクも踏まえた意見を言われたことでこれを素直に受け入れ、業務指導の際の言葉遣いに気を付ける等、部下に対して精神的圧迫をあまりかけないようになったことから、社内における「パワハラ問題」は解決しました。

・ご相談の流れ

1.社内でハラスメント等の不祥事の申告があった場合、すぐにご連絡をいただきます。
2.打合せの日程調整をしてご来所いただき、その時点で会社が把握している事実関係をお聞きして、不祥事の証拠(メール、録音、写真等)を検討します。
3.その他にどのような証拠が必要かを特定してヒアリングの対象者を選定し、調査の段取りを決定します。
4.会社の方と協力して調査を実施し、不祥事の事実関係を特定し、法的な判断をして適切な処分や再発防止策を検討します。

相談内容:金銭の使い込み

相談内容

業務遂行のために現地で雇用するアルバイトの人事を担当していた社員Aが体調不良により休職したため、同社員の業務を他の社員Bに引き継がせたところ、Aが不正な会計処理を行って金銭を着服していることが発覚した。
どのような手順で調査して、どのように処分すればいいのか。

当事務所で対応した内容

会社の役員、総務部長と調査チームを立ち上げ、関係する会計資料を収集してもらったうえで、会社においてどのような経理処理を行っているのかについてヒアリングを行った。さらに、過去の会計資料の確認も行ったところ、Aが3年ほどの間に1000万円を超える金額を着服していることが発覚した。そこで、帳簿や領収証等の証拠を揃えたうえで面談のためにAに出社命令を出し、Aからヒアリングを行った。

ご依頼いただいた結果

証拠を説明しながらヒアリングをしたことで、Aも着服を認めざるをえず、900万円を返済してもらうことで合意し、Aは会社を自主退職した。

ご相談の流れ

1.社内で金銭使い込みの疑いが発生した場合、すぐにご連絡をいただきます。
2.打合せの日程調整をしてご来所いただき、その時点で会社が把握している事実関係をお聞きし、不祥事の証拠(伝票、領収証、メール等)を検討します。
3.会計資料はどの範囲の資料をどの時点まで遡って調査するか、会計資料以外にどのような証拠が必要か等を特定してヒアリングの対象者を選定し、調査の段取りを決定します。
4.会社の方と協力して調査を実施し、不祥事に関する事実関係を認定します。そのうえで、認定した事実に対し法的な評価をして適切な処分内容や再発防止策を検討します。

 

TEL:092-406-3682 土日・祝日夜間 相談可能!
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